2011年11月15日火曜日

第二回「南三陸町を支えるキリスト者ネットワーク」会議

11月14日(火)に8月に結成された「南三陸町を支えるキリスト者ネットワーク」の第二回の会議が開催されました。場所は、普段、私たちイザヤ58ネットの支援チームが宿泊場所にしている仙台バプテスト神学校で午後1:00から4:00までの大変密度の濃い会議でした。日帰りで出席してきました。
 第一回の会議は、8月に南三陸町にある、避難所にもなっていたホテルで開催されました。その時は、80名くらいの人数で、様々な団体や支援活動をしている教会の代表者が参加していました。一度でも南三陸に支援活動をしたグループも参加してたので、主な大きな団体の活動報告とネットワークを結成する主旨説明で終わって、踏み込んだ話はできませんでした。
 しかし、今回は、30名くらいの人数で、出席した団体も絞られていました。理由は、幾つかあり、他の福島での支援会議と日程が重なったり、また、支援の働きの力点を他に移したグループがあったこと、さらに、支援活動の資金が底をついて、働きを休止したグループなどがあったりしたために、今回は継続的に南三陸町に支援活動をしているグループに絞られた感じです。

仮設住宅への支援について 
 それぞれの活動報告が、具体的な場所などを挙げて報告がなされました。おもしろいことに、それぞれが重点的に支援活動をしている仮設住宅が重ならないで、お互いの活動に気を使ってうまくすみ分けができているようでした。また被災者の個人名などがでてきて、それぞれが被災者たちとの個人的関係が築かれはじめてきて、証しのチャンスが広がっていることです。
 この支援ネットワークの特徴は、震災当初から南三陸町に入って支援活動をしていた代表者の仙台のN牧師が行政とパイプができていることです。行政がどのような支援を私たちに求めているのかを常に訪問して、率直な意見交換をしていることです。
 そのような中で、仮設住宅への支援活動で浮かんできた課題が「支援の均等化」という問題です。企業などが支援を送ってくるのですが、ある意味で事前情報をしっかりつかんでいないこと、単に企業イメージをアップさせるために、ドーンと物資を送ってきて、「もう、この仮設住宅には物資はいりません」と訴える仮設の自治会長がいたりする反面、何も支援がこない小さな仮設住宅、あるいは、かなり山間のめだたない場所にある仮設住宅などがあり、「私たちを見放さないでね・・・」と訴える仮設の代表の声などがあることです。また一般の大きな企業や支援団体の支援物資が、仙台のリサイクルショップに箱ごと売られているという報告もありました。つまり、必要なものを必要な量を支援するという事前調査をしないで、物資を送ってきても、「今必要なのは物よりも現金だ」という被災者もいるということです。
 今回、そのような一般の支援活動で見られる問題が起きないように、お互いの支援活動が重複しないように、緊密な情報交換のネットワークが必要とされています。
行政と被災者、地域コミニティーのパイプ役 
 また、行政となぜ緊密に連絡を取り合うのかというと、実は、南三陸町だけでなく、三陸海岸の町の行政の問題は、町の職員たちも被災者だということです。被災者は、町の行政に当然のように支援サービスを求めてきます。しかし、行政組織が壊滅して、立て直ししながら被災者対策をしていく行政は必ずしも行き届いた行政サービスができない面もあります。さらに大きな問題は、それぞれの行政分野の専門担当だった人たちが、被災して死んでしまったりして専門知識に乏しい人が担当することにもなっているそうです。たとえば、それまで下水道課の職員が、福祉関係の担当にならざるおえないという事態があるわけです。
 キリスト者ネットワークでは、そのような行政の側にも大きな悩みをかかえ、個人的にも大きなストレスを抱えている職員が少なくない現状の中で、行政の側の必要、また被災者の側の必要などを聞きながら、キリスト者として平和の絆の構築を目指していくためです。次回の会議には、被災者の代表や行政の代表も出席してもらうことを目指しているそうです。

 さらに、中には、私たちイザヤ58の支援活動に「バーベキュー大会」「芋煮会」などの活動を聞いて「なんだ、支援といっても、食べたりする活動じゃないか(笑)」と思う方があるいはいるかもしれません。これらのイベントの企画の主旨は、被災地では、それまでの地域コミニティーが壊れてしまっている問題もあるからです。支援物資の配給の問題で、隣近所の関係、あるいは町内会が壊れてしまったり、集まる場所がなくなったりしています。
 以前に大森地区で支援とバーベキュー大会をしたのは、地域の区長が「昔のような、隣近所が和気わいあいとした関係に戻したい・・・」という願いから、私たち支援グループと被災者の親睦というより、被災者同士のつながりの再構築という意味で企画しました。
 また、仮設住宅は、抽選で場所が決まるため、いままでの隣近所の人ではなく、それぞれが違う地域から来た人たちが集まっているのです。お互いが知らなかった人たちが、同じ集落で生活をする、当然、孤独死などが問題になります。私たちキリスト者として支援は、そのようなパイプ役になることではないかと思います。
 今回、被災者の協力してくれる方が、南三陸町の全部の仮設住宅のある場所をグーグルマップで掲載した地図を作成してくれて、私たちネットワークに提供してくれました。
 大きな仮設住宅、小さな15世帯ほどの仮設住宅、それらすべてがわかる資料をキリスト者ネットワークは持っています。その地図を見ながら、イザヤ58ネットの活動も、きめ細かい働きのお手伝いができると思います。
イザヤ58ネットを支援してくださっている方々のすごさ 
 今回「キリスト者ネットワーク」の二回目の会議に出席して感じたことは、「イザヤ58ネットを支援してくださっている方々のすごさ」ということです。前にも述べましたが、第一回のネットワーク会議に比べて、参加グループが絞られた理由の一つに、支援活動の資金が底をついて休止したグループもあります。もちろん外国からの資金援助のパイプの大きい支援団体や教会もあるのですが、イザヤ58ネットという関東に限られた教団の教会が中心になって、物資を三回も送り、また、4月からほぼ毎月、支援チームを送ることができるのは、この働きのために支援してくださっている諸教会の信徒の力が本当に大きいということを、会議に出席して痛感しました。本当にありがとうございます。
 日赤や大きなNGOへの義援金という援助の形もありますが、イザヤ58ネットという小さなグループへ献金や物資支援してくださった方々に確実に言えることは、みなさんが献げてくれた物資や献金がいきつく場所がどこなのか、具体的にわかることではないかと思います。今回17日に持って行く支援物資は、南三陸町の波伝谷(はでんや)という地区の仮設住宅で、まだ支援が行き届いていない山間の15世帯ほどの仮設住宅とできたら他に二カ所の仮設に物資を送りたいと願っています。また物資支援のための献金から乾燥機を二カ所の仮設住宅に設置するための購入資金として使う予定です。設置が終わったらブログで報告したいと思っております。

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