2011年9月20日火曜日

第4次派遣活動を振り返って(2011年9月5日~8日)

はじめに
2011年3月11日午後2時46分に東日本大震災が発生してから早半年が過ぎました。イザヤ58ネットも4月にスタートしてから視察、支援活動、支援物資の提供、会議等を含めて9回現地に行っています。皆が夢中で奉仕して、あっという間に半年が過ぎていきました。この間に多くの教会や兄弟姉妹の励まし、祈り、具体的な支援をいただきここまで来ることが出来た事を深く感謝しています。個人的な事を言えば、私はそれほど丈夫ではないにも拘らずここまで主に支えられていることは本当に不思議なことです。被災者の為に何かしたいと思いつつも現地に行くことなど夢にも思ってみませんでした。それが今では平気で片道400㎞を車で運転しています。
またこの働きは、「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」という聖書のことばに基づくものです。ですから兄弟姉妹と共に隣人に仕えることは実に楽しく、喜び溢れる奉仕であります。今回は男性3名でしたが少人数であった分メンバーや仙台SBSネットと幸いな交わりが多く与えられ真に幸いな奉仕となりました。車はI兄が大きな車を用意してくださり感謝しております。

第4次派遣活動の特徴
今回の奉仕は私達イザヤ58ネットにとって非常に重要な派遣でした。それは私達の南三陸町や石巻での働きの方向性がかなり見えてきたことです。これが第一に大きな成果です。第二は現地の被災者や奉仕者との協力関係の継続により信頼関係が更に増して来たことです。この二点を肌で感じた活動でした。
南三陸町
私達が知る範囲での現状報告

 避難所で生活していた皆さんは8月いっぱいで避難所を出て全員がそれぞれの仮設住宅に移りました。希望していたところに移った人、そうでない人とそれぞれですが新しい生活が始まった訳です。無償で家が提供されます。電気製品等も提供されて新しい生活がスタートしたのです。確かにここまでは良いことでしょう。
しかし仮設は2年~3年という期限付きの生活ですのでいつかは退去しなければなりません。また電気、ガス、水道代は自己負担となります。家のロ-ンが残っている方は支払いがあるでしょう。仕事を失っていても健康保険料は払う必要があります。勿論毎日の食料品や生活物資も自己負担となります。経済的な負担は私達が考えるよりも非常に深刻な問題であると言うことです。また知らない人ばかりが住んでいる仮設に引っ越した人は人間関係を作っていくのに時間が掛かります。特に人間関係を作っていくのが得意な人ばかりではありません。関係を持つのが苦手な人もいます。
健康管理については高血圧、糖尿病、気管支喘息等の持病を持っている人は辛い面があります。病院が流され、カルテも無く、お医者様も新しい先生が担当となります。また忘れてならないのは、家を失い、家族を失い、仕事を失って大きな悲しみの中にある方が孤独になってうつ状態となり、やがてうつ病を患ってしまいますと自殺の危険性がでてきます。要注意となります。
こうして現状を分析すると必ずしも暗い話ばかりではありませんが、厳しい状況には変わりありません。この人たちに「早く自立して」と言っても過酷なことではないでしょうか。また果たして町がこれから何年掛かって復活できるか正直まだ先が見えてきません。

私達に出来ること
幸いな事に南三陸町にはクリスチャン達や教会関係者が進んで奉仕しています。南三陸町の人を自分と同じように愛している人たちがいます。私達が以前から連携している仙台バプテスト神学校のSBS災害復興支援ネットワーク(代表森谷正志師)と全世界の多くの支援者が沢山います。また3月の震災以降直ぐに南三陸町の避難所に駆けつけて奉仕しているキリスト聖協団西仙台教会の中澤竜生牧師とこの働きを支えるが多くの支援者がいます。
両師は仙台から100キロ以上離れている南三陸町に頻繁に出かけては支援活動を続けています。ですから地域住民や行政の信頼が厚く支援活動は行政の中にも入り込んで行けるのです。ここまで来るには多くの犠牲があった事でしょう。
またお二人は多くの仲間と共に8月18日に南三陸を支えるキリスト者のネットワークを立ち上げました。私達イザヤ58ネットもこのネットワークと連携して働きを進めることが可能となっています。但しこれは始まったばかりでまだ具体的な方向性が定まっていない事も事実です。これから私達は現地の実情を正確に知っていくことが必要となります。そして自分たちの身丈にあった働きを着実に積み重ねていくことが求められているように思います。
特に10月と11月に人員を派遣して南三陸町の志津川の仮設住宅や大森地区、また北部の枡沢、大上坊、米広の各地区で奉仕を予定しています。ここでは傾聴、お茶会、芋煮会等による信頼関係の構築や支援物資の提供が中心になります。また冬に備えて日用品や冬物衣料等の支援ができるよう教団の各教会に呼びかけていきます。

石巻
石巻での働きは南三陸町での働きと全く違います。ここでは主に仙台ルーテル同胞教団のディーン・ベンソン宣教師と石巻のキリスト教会・祈りの家の代表阿部一兄弟を中心とした働きです。石巻では倒壊した家屋ばかりでなく、家は残ったものの津波によるヘドロの為に住めなくなったお宅が無数にあります。今ベンソン師は全世界の支援者と共にこのような家の床の泥払いから始めて壁をはがして家を再生する働きをしています。
先日私達が奉仕した家は5月に行ったチームが泥払いをしたNさんの家です。ここでは床板が張られ、断熱材、石膏ボードが取り付けられていました。秋田からルーテル同胞教団の大工さんが泊まり込みで工事をしていました。全て無償工事です。費用は全世界からの献金によるものです。Nさん家族はクリスチャンではありません。しかしベンソン師達は改築が必要と判断した家屋は最後の完成の時まで続けるのです。これがキリストにある隣人愛の行為です。
またもう一軒、Dさん宅(女性)を工事しています。私達も三人で泥払い、壁剥がしをアメリカの宣教師チームと一緒に行ないました。ここも進んでいますので10月に行く時にはだいぶ形が出来ていると思います。またDさんとは自由に聖書や信仰の話しが出来ますので感謝でした。
一方、阿部一兄弟は全体的な管理をしています。どこに何が真に必要かを見極めて、援助が必要な人に、必要な分だけ、必要な時に提供しています。支援物資は日用品等をきめ細かく提供しています。阿部兄弟は70歳代です。県立高校の教師を退職後に家の教会の代表として奉仕する傍ら、ベンソン宣教師と協力してキリストの愛をもって地域の人に真心から仕えています。あの行動力には驚かされます。まさしくキリストの力によって動かされています。
今回私達は教団の有志の皆様からお預かりした支援物資指定献金の内5万円をキリスト教会・祈りの家を通して石巻の皆さんに使っていただくことにしました。イザヤ58ネットは今後も石巻でベンソン宣教師、阿部兄弟達の点ではなく、面を着実に広げていく働きに加わって行きたいと願っています。それは同時に石巻での宣教協力につながる働きと確信しています。

今後の方向性
南三陸町では8月18日に「南三陸を支えるキリスト者のネットワーク」が立ち上がったばかりです。各団体にはそれぞれの思惑がありますので、これからどのような方向に進むのかを良く見極め、自分たちの身の丈にあった働きを着実にしていければと願っています。特にイザヤ58ネットが出来る働きは仮設談話室での傾聴の奉仕です。これが今後ますます重要になってきます。
石巻では継続して家の改築・改修工事を手伝い、被災者の皆さんと関わりを続けて持っていきたいと願っています。11月まではこのまま継続する予定です。特に11月の6次派遣は木曜日から日曜日までを計画しています。こうすることにより会社員、公務員の方は動きが取れやすくなりますし、日曜日は現地の教会で礼拝を捧げ、交わりが出来ますので共に大いに励まされます。先生方が行かれれば説教奉仕も出来ます。これは現地の教会にとっては大いに勇気づけられることでしょう。今後の更なる広がりを期待しつつ。

・・・お知らせ・・・
10月29日(土)
イザヤ58ネット特別集会
「3.11東日本大震災・・・あれから八ヶ月」
・・・津波と原発事故にあった教会から・・・
場所:福音伝道教団太田キリスト教会(群馬県・太田市)
講師:佐藤彰先生(福島第一バプテスト教会主任牧師)

2011年9月12日月曜日

9月の支援活動の報告

 ブログ責任者の個人的事情があって、ブログへの書き込みができませんが、9月の支援活動をした方のホームページに支援の報告が掲載されておりますので、了解をとって、そちらのURLを紹介します。
 http://manna.board.coocan.jp/
こちらをごらんください。
・・・お知らせ・・・
10月29日(土)
イザヤ58ネット特別集会
「3.11東日本大震災・・・あれから八ヶ月」
・・・津波と原発事故にあった教会から・・・
場所:福音伝道教団太田キリスト教会(群馬県・太田市)
講師:佐藤彰先生(福島第一バプテスト教会主任牧師)

2011年9月1日木曜日

「イザヤ58ネット特別集会のお知らせ」

 9月に入りました。3月11日のあの日から7ヶ月に入ろうとしています。しかし、南三陸を訪れた時、まだ片付いていない津波で壊れた建物に、あの震災の時の時間で停止したままの柱時計があったのを見た時、被災者たちにとっては、何ヶ月たっても、あの時から時間が停止しているのではないかと思ったりもします。
8月末で、岩手、宮城などの避難所は次々と閉鎖されています。ある人は、仮設住宅に、ある人は他県に移っていってもしています。避難所では、支援物資がありましたが、仮設住宅に移ると支援物資はなく自活していくことが求められますが、実際は、仕事を無くした人もいって、避難所から出たからといっても不安はぬぐえないでしょう。
 私たちイザヤ58ネットでは、主に石巻、南三陸での災害支援が中心ですが、福島、茨城などの被災地域を忘れてはいません。しかし、私たちの支援ネットの規模などから、気にはしておりますが、なかなか、そちらまで手が伸ばせないのが現実です。今後の課題としてお祈りしていく必要があります。
 そのような中で、このたび、津波と原発事故で、一年前に、立派な会堂を建てたばかりの会堂を原発から数キロ一番近い教会であったため、避難をせざるを得なかった福島第一バプテスト教会の牧師佐藤彰先生を迎えての講演とイザヤ58ネットの活動報告の特別集会を計画しております。皆様の出席を心から期待しております。
「イザヤ58ネット特別集会『「3・11東日本大震災・・・あれから八ヶ月』
     ・・・津波と原発事故にあった教会から・・・」

日時:2011年10月29日(土) 午後2時~3時30分
場所:太田教会
講師:佐藤彰先生
入場料:無料(震災支援のための席上献金があります)